新しい講演様式

 太陽の塔が赤く照らされ、大阪モデルで言うところの「非常事態」。本当は外出自粛すべきだが、講演依頼を受けて香川県へ。感染者数の少ない県に大阪からやってきて嫌がられないものなのだろうか。その心配は的中し、リアル受講者は3人。オンライン受講者が約20人という結果に(;^ω^)。広い会場に受講者3人、事務局の方2人と私の6人。これが新しい生活様式ならぬ、新しい講演様式なのかもしれない。こんな状態なら私もオンラインで良かったのでは?という思いも残るが、交通費や宿泊費まで出していただけるということで、便乗して愛媛の取引先訪問を果たし、空いた時間で美術館に行くことも出来た。大勢の前で話すと無駄に緊張する私にとって、リアルが少人数であったことは有難く、結果大満足の旅となった。


 講演のテーマは「女性の働きやすい職場を作るための取り組み」。創業以来取り組んできたことを事細かにお伝えした。うちでやってきたことがどんな会社にも当てはまるとは到底思えないので、出来るだけ活発な質疑応答が出来るよう、事務局の人と打合せをし、オンライン受講者からの質問はチャットで受け付けるようにした。最初に私から「あなたにとっての働きやすい職場とは?」と問いかけたところ、風通しの良い会社、話しやすい会社、意見が出しやすい会社、休みがとりやすい会社、空調設備が整った会社といった意見が出た。

 働きやすさも千差万別であり、働く人全員の働きやすさを追求するのは至難の業だが、意見の出しやすい風通しの良い会社であれば、いろんな壁にぶつかるごとに意見交換が行われ、その時の最善策をとれるのではないかと思う。VUCAの時代と言われる昨今、今その時の最善策を選択し続ける柔軟さが求められている。柔軟さや小回りがきくという点は、中小零細企業の強みとなる気がする。


 話が進む中で、チャット内の質問が溜まっていき、リアル受講生に分かるようにチャットの質問を音読し、ひとつひとつに答えていく。リアル受講生の3人は、カメラの前で質問し、オンライン受講者と共有する。それに私が答えるといった具合だ。有難いことに予想以上に質疑応答が活発になり、あっという間に時間が過ぎた。一方的に話すより、具体的な質問に答える方が私もやりやすく、離れていても同じ場を共有している感覚を得ることが出来た。


 大勢がいる中で手を上げて質問するのは勇気がいるというか、日本人には苦手な人が多いと思う。特に第一声はなかなか勇気がいる。これまでの講演会で、幾度となく静まり返る質疑応答時間を体験してきたが、文字で質問する方式は日本人向きなのかもしれない。年末に向けて頻度を上げてブログを更新することを自分に課している私としては、この時期に、いろんな経験をさせてもらえた今回の出張は貴重でしかない。次は美術館で感じたことをネタにブログが書けそうである(うしし)。

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