13日の金曜日

自己肯定感

やらかした(+_+)!と思った瞬間。
凍り付くというか、胃がクッと縮まるというか、火照りながらも寒気がするというか…


その日は20時からラジオ出演の依頼をうけていて、19時40分ごろにラジオ局に行く事になっていた。定時の18時まで仕事しても、十分に間に合う距離にラジオ局はある。前の晩、事前に渡された質問内容に対して、どう答えようかと思いを巡らせながら床に就いた。朝起きて、午前中に取引先の新しい担当者にプレゼンしに行く予定があったことを思い出し、どうやったら記憶に残るピーアールができるかなぁと頭の中でイメージしていた。

そこへラジオのディレクターから連絡入ったのが7時45分。
「もう近くまで来られてますか~?」
「ぇ ?」

そう、やらかしてしまったのである。
事態を把握したあの瞬間。夜の8時と思い込んでいた出演依頼は朝の8時だったのだ。7時40分ごろにラジオ局に到着しているはずの私のカラダは自宅にある。アタマは午前中のアポのことを呑気に考えていたのでる。
ラジオ出演という仕事に見事に穴をあけてしまった。どんなにマッハで動いてもラジオ局に着くころには生放送は終わってしまう。謝ることしか思いつかない私に、ディレクターさんは落ち着いた声で「では、リモート出演に切り替えましょう。音のチェックがしたいので一旦切りますが、06から始まる番号からかけ直すので出てください。私も念押しすれば良かったですね。」と語りかける。

動揺している暇も緊張している暇もなく、パパッと音声チェックを済ませた後、出演時間の1分前にスタジオと繋がり「今流れているCMが終わったら出番です。ハイどうぞ。」その後はパーソナリティさんのユーモアたっぷりの洗練された語りに身をゆだね、リモート出演はあっけなく終了。

もし私がディレクターの立場だったら。
ものすごく焦るし、思わず声を荒げて、「なんで夜だと思うんですかっ!番組名『おはようパーソナリティ道上洋三です』ですよ!どうしてくれるんですかっっ!!」と叫んでいたと思う。ディレクターさんの内心は測り知れないが、彼は瞬時に最善の道を選んで、私があけた穴を埋めてくれたのだ。
惚れそうになるぐらい仕事ができるお方だ♡

感謝と尊敬の念に襲われながら、私の自己肯定感は奈落の底に。「穴があったら入りたい」とはこのことか。しばらく布団にくるまって凹みたおした。
気を取り直して出勤し、ディレクターさんが送ってくれた事後視聴できるURLを貼り付けて、ラジオ出演をSNS発信。ラジオを聞いてくれた人々から「時間間違えるとは!」のツッコミが入る。やはりそこが一番印象に残ってしまうのか…( ̄ー ̄)。

「穴をあけるのが仕事です。」どっちの意味で言うてんねん…と内心ツッコミながら取引先で営業トークする私。

次の13日の金曜日は、どんなハプニングと学びに出くわすのか、今から楽しみである。(すっかり前向きな私に戻りました♡)

熱量は伝播する

最初の企画はとてもふわふわしたものだった。
「にぎやかしブース」を共同で借りて、リアル展示会を盛り上げよう…といった感じ。“祭り”的なことは感じたが具体的なことが何も分からなかった。名古屋で開催されるリアル展示会に出展することを決めていた。今回の展示会は社員主導。私は予算を捻出する係。ちょうどサンプル製作をし始めたころに誘われて、私あんまりやることないし、にぎやかしブースでも担当するか~ぐらいのノリでふんわりエントリーしたのを薄らぼんやり覚えている。

8月中旬にリアル展示会がコロナで中止となり、にぎやかしも無くなると思いきや、動画製作、公開、投票というカタチで企画がどんどん進んでいき、気が付けばふわふわ感はゼロ。期日とやるべきことが決まり、あっぷあっぷ言いながらついていくことに。ちょうどその頃めったにない特需が入り、加工機はフル稼働。全ての機械が汎用機である細穴屋としては、みんなと話し合っているヒマも「くだらないもの」を作っているヒマもなくなった。特需を喜ぶ裏で、やばいやばいと焦る気持ちが膨らんでいく。期日がせまる中「世界一折れやすいシャー芯」を作ることを思いつき、社員と共有。そこからが早かった。動画製作のセミナー受けたり、絵が上手な社員に私のイメージから絵コンテを描いてもらったり。

熱量グラフ

(くだらないものグランプリ 熱量グラフ)
主催者メンバーが名古屋から突撃取材に来てくださって一気に現実味が増したあの日。

稼働の少ない日を狙ってシャー芯に穴加工し、それを撮影し・・・私が知らない間に動画製作は進み、もっとこうしようああしようとブラッシュアップされていった。動画なんて作ったこと無いのに、である。うちの子らやるなぁ、と感心したし感動した。突き動かされるように、伸び悩む投票数を伸ばすべく今までの友人知人にお願いのメッセージを送った。するとすこぶる良い反応。企画の主旨がコロナ禍で落ち込んだ人々の心をつかむのか、面白い~、すご~い、笑える~!と事前動画を見てくれる人が増えていった。“一生懸命”の熱量は離れていても伝わるのだ。事前投票1位になってからの熱量はぐんと上がり、社員と投票してくれた人たちの期待に応えたいという気持ちが一気に膨れ上がる。あの“ふわふわ感”はどこへやら。「くだらないもの」にこんなに熱中するなんて。

主催者の熱量もエントリー企業の熱量もどんどん上がっていくのを感じながら当日を迎えた。決戦動画を見てくださった人は分かると思うが、情けないかな緊張しすぎて震えが止まらない私。結果は3位。されど、やりきった感は1000%。そして「くだらないものグランプリ」ロス(笑)。
「第1回 くだらないものグランプリ」
何がスゴイって、主催者も参加企業のメンバーであること。そして決戦プレゼンが終わったあとの集合写真のこの笑顔!この仲間たちとお仕事してみたい、と思うのは私だけではないと思う。

▼決戦の様子はコチラ(4時間16分)
https://youtu.be/Ym1CVrvRrVw
・エストロラボのプレゼンは2:05あたりから
・プレゼン終了後の座談会は3:35あたりから
・結果発表は4:00あたりから