逆の発想

夕陽に向けて置いた椅子

 ブログがなかなか更新できない理由のひとつに、ちょうどいい挿絵となる画像がない、ということがある。ブログだから画像がなくてもいいようなものの「アイキャッチ画像」なんていう言葉を最近知り、発信するには目を引く画像がある方が良い世の中。師走に目標達成のためにせっせとブログネタを探しもがいている私には、ちょうどいい画像を探すことにも時間を費やしているのである。ブログに合った画像を探し求めてフリー画像を検索する始末。そんな時にふとひらめいた!ブログに合った画像を探すのではなく、画像から着想してブログを書くってもありではないか。それならブログと画像はぴったんこカンカン♪ ふふふ。これでブログの更新頻度は上がるに違いない。

 というわけで、フリー画像をダウンロード出来るサイトに登録。商用使用も加工もOKの画像集。な、なんと大量にあることか。選ぶ作業だけでも結構時間かかるや~ん( ;∀;)。しかもダウンロードしようとすると、敵もさるもの、5枚ほどの画像の評価をリクエストしてくる。そうか無料なだけに情報集めようとするわけね。自分で写真撮った方が時間かからないのでは?とついさっきの閃きに小躍りした自分に疑いの目を向けながら、ようやくダウンロードした画像がこちら。

 夕陽に向けて置いた椅子と題してあったが、この画像から思い出した風景がある。海外放浪の旅に出かけた若かりし頃。10代のうちに世界をこの目で見てみたいとせっせとお金を貯めて、憧れのヨーロッパ周遊、美術館巡りを企てた。意気揚々と出かけてはみたものの志半ばで置き引きに合い、予定変更を余儀なくされながらもなんとか予定の5週間をヨーロッパで過ごすことになったのだ。身に着けていた腹巻もどきのウェストポーチにはパスポート、帰りの飛行機のチケット、ユーレイルパスとトラベラーズチェック。スーツケースも着替えもカードも現金もないが、旅は続けられる。身軽になり、旅行者とは思えない出で立ちで、日本へ帰る飛行機の出発地となるスペインを目指した。

 移動中の鉄道の車窓から見た椅子のことを、ダウンロードした画像を見て思い出したのだ。なんでこんなところに椅子?と思ったのを覚えている。画像のような平坦な土地ではなく、起伏のある丘陵地にポツンと。野外用には見えない木枠に布張りの椅子が鉄道の方を向いて置いてあった。近くに小屋も人影もない。誰かが時々ここへきて来て座り、鉄道を眺めるための椅子だったのだろうか。今となってはあれがどこだったのかさえ定かではない。スペインの北の方というぐらいしか覚えていない。カメラも盗られたので、その当時の写真は一枚もなく、自分の脳裏に焼き付いた場面だけが思い出である。思い出す機会も減った今、どんどん記憶は薄れていく。

  ブログネタを探す行為から、古い記憶を思い起こすことになろうとは。無理矢理でも目標達成しようともがいた甲斐がある。
とはいえ来年も目標を設定するべきかは…正直まだ悩んでいる( ̄ー ̄)。

いま、思うこと

うねり

 タイトルには「いま」と書いているものの、これを書いたのは数カ月前。コロナ禍でひとり時間がたっぷりあった時に綴ったものである。今だ!ブログを書き貯めるぞ!と3本書いた。投稿するタイミングを逃して今更感の濃い1本はお蔵入り。白状すると、前回のブログも5月ごろに書いたものだ。今読むと古新聞ぽく仕上がっているが、まだマシと判断して掲載することにした。目標達成のための悪あがきと思って読んでもらえたら有難い(;^ω^)。

 ひとり時間が増えて、いろいろと思い直しながら、いま思うこと。それは、人との物理的な距離が離れた分、心の距離が近づいたように思う感覚だ。有難いなぁ~と、感謝する気持ちが溢れてくる。まだまだ財務体質が貧弱なエストロラボで働き続けてくれている社員たち、会社大丈夫~?と心配してくれる旧友たち、産み育ててくれた母、たっぷり愛情を注いでくれた亡き父、よき理解者である個性豊かなきょうだいたち、指南してくれる先輩経営者たち。周りの人に恵まれたことに対しての感謝の気持ちが溢れてくる。気持ちは伝えないと伝わらないとも言うけれど、心の距離が近づいたことで、以前より伝わっているような気ががする。いま、世界中で多くの人々が最前線で働く医療従事者の方々に向けて感謝の意を表している。フライデーオベーションもそのひとつだけど、人が人を想う気持ちのうねりのようなものが世界中に溢れているように感じてならない。

 という一方で、白人警官による黒人の暴行死をきっかけに抗議デモと暴動が各地で頻発しているアメリカ。コロナ禍の自粛ストレスの蓄積により一気に噴出したとも、もっと根深い人種差別による過激化とも言われている。このエスカレートしていく感じが目に見えない「うねり」だと感じる。良いうねりで溢れた世界がある一方で、差別や偏見が不安や恐怖をきっかけに悪いうねりとなってあっという間に蔓延してしまう。悪いうねりが不安や恐怖を増幅させる負のスパイラル。世界を良いうねりで覆いつくせる日は来ないのだろうか。

 新型コロナウィルスという未知のものに対する不安、恐怖から生まれた良いうねりのことを考えると、正負や善悪の間を行ったり来たりしながら少しずつしか成長できない人間。そこにこそ、人間らしさのヒントがあるのかもしれない。

家事について

 ひとり暮らしの私は、基本ひとりでごはんを食べているはずだが、多忙にかまけて食事を抜くこともあるし、外食も多い。人を招いてのおうちごはんも好きなので、「ひとり飯」がこんなに長い間続いたのは人生で初めての経験であった。そんなステイホーム期間に取り組んだことがある。自分のためにだけ作るごはんは、料理が好きといっても、人に振る舞うときほどの力は入らない。ご飯に振りかけ、バナナとコーヒー、で済ますこともしばしばだ。そんな食生活が長く続くとカラダに良い訳がないし、世間では免疫力を上げろ上げろと言われていた時期。なので、バランスの良い食生活を目指して自粛期間中は食事を撮影することにした。写真を撮って記録を残すとなると、なぜだか頑張れた。

 彩りにも気を遣うし、器も選ぶ。なんだか楽しくなってきて品数も増えた。良いこと尽くしのようだが、難点も発覚。ひとつは、撮影するがために料理が冷めること。もうひとつは、品数を増やそうとすると食材の種類も増えるので腐らせてしまう可能性が上がることだ。なんとしてでも使い切りたい、同じ食材でも出来るだけ違う味で楽しみたいと思えば思うほど、食事について考える時間が増えるのだ。消費する順番を考慮した上での飽きの来ないメニュー構成。栄養バランス。何がどれくらい残っているかの在庫管理と無駄のない買い出し。

 家族の食生活を一手に担う人ってほんま凄いな、と改めて感心した。ひとり暮らしに比べたら作る量も多い。好き嫌いのある子どもがいたり、時間差で帰宅する家族にも早朝のお弁当づくりなど、すべてに対応。料理だけでなく、掃除に洗濯、子育てに介護、プラス仕事もする人たちがいる。こんな重労働を365日続けているなんて。超人的に感じるし、家族のためにだから出来るかな、と思い直したりした。

 ステイホーム生活で家族の時間が増えて嬉しいというインタビューをテレビで観て、同居する家族がいるっていいな、ステイホーム=ひとりじゃないって羨ましいなと思った私。一方でステイホーム生活で虐待が増えた、離婚が増えたというニュースを聞いて、悲しい気持ちになり、ひとりで良かったかもと思い直す私もいる。思い直しを繰り返しながら、今思うことを次のブログでは書いてみようと思う。

MIMOCA

MIMOCA

 前回のブログで予言したとおり、香川県で訪れた美術館について書く。書くことが決まっている安心感。ブログの更新回数の目標を設定する時点でタイトル(テーマ)だけでも決めておけば書きやすいのではと、今頃になって思う私。今回訪れたのは「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)」。今までに2回行ったことがあり、また行きたいと思わせる大好きな美術館のひとつである。

 丸亀と言うと「丸亀製麺」を思い出す人が多いと思うが、株式会社丸亀製麺の本社所在地はなんと兵庫県で、丸亀市内に丸亀製麺は存在していない。うどん県と呼ばれる香川県に丸亀製麺は2店舗しかない。競合が多いということか。

 さて、美術館に話を戻そう。
講演の仕事で高松市に呼んで頂いたので、また行きたいという思いが強く残っている丸亀市現代美術館の開催中の企画展について調べた。タイトルは「窓展 窓をめぐるアートと建築の旅」。なんの迷いもないぐらい興味をそそるタイトル。コロナ禍で予約制になっている美術館もある中ふらっと立ち寄れること、本来は2020/7/11-9/27だった開催期間が2020/10/13-2021/1/11に変更になっていたことに勝手に運命を感じ、これは行くしかない!と往復の電車の時刻を確認。気分的には講演を済ませ、開放感をもってアート探訪としたいところだったが、講演前の午前中の時間を使って高松、丸亀を往復することにした。

窓展 窓をめぐるアートと建築の旅

 「窓」が描かれている絵画が古今東西問わず並べられていると想像していたが、想像をはるかに超えた展示物で驚いた。副題に「アートと建築の旅」とあるように、建築からの視点でどのように採光を取り入れるかまで計算しつくしている設計図もあり、額縁すらある意味「窓」であるという解釈で展示されている絵画もあった。壁一面に時系列に並べられた古今東西の「窓」にまつわる写真や文献。前に立つと巨大扇風機がオンになり、その風の力で窓の扉が開いたり閉じたりするインスタレーションもバタンバタンという音とともに楽しめるようになっていた。パウル・クレーの小さい四角を並べて描かれた抽象画も小窓に見えてくる不思議。

 いちばん面白かったのは、日中韓のアーティスト3人によるユニット・西京人による「西京国」のインスタレーション。架空の都市国家「西京国」の入国管理局をグローバルスケールの視点で「窓」と見立てての展示。展示だけかと思いきや、その先に進むには、入国検査場の規則に従って次の4つのいずれかを選択しなくてはならないと、ゲートに座る女性がおっしゃる。

とびきりの笑顔か、お腹の底からの大笑
または
お好きな歌を一小節
または
チャーミングな踊り

 この静まり返った美術館でどれか選べとは。なんと斬新な企画!

 飛沫感染と、これ以上笑い皺が深く刻まれることを恐れた私は、チャーミングな小躍りを選択。無言で踊って無事ゲートをくぐり、西京国に入国できた。視聴者を巻き込むインスタレーション。世界中にある移民問題や各国が分断しつつある現実の閉塞感におもいきり疑問符を突き付けてくる作品だった。

西京入国管理局

毎回驚きと気づきを与えてくれる丸亀美術館の企画に賞讃を送りたい。
高揚した気持ちを抱えたまま、苦手な講演会に挑み、調子を上げてブログを書いている私である。

この企画展、来年1月11日まで。超おススメです♡。
窓展 窓をめぐるアートと建築の旅

年末年始 休業のお知らせ

年末年始の予定についてご案内申し上げます。

誠に勝手ながら、年内は12月26日(土)までの営業とさせて頂きます。

【年末・年始休業のご案内】

2020年12/27(日)~2021年1月3日(日)

※12/26(土)は~15:00まで、1月4日(月)は通常どおり営業致します。

休業期間中に頂きましたお問合せやFAXへのご返答は1月4日(月)以降となります。

ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。

新しい講演様式

広い会場に…

 太陽の塔が赤く照らされ、大阪モデルで言うところの「非常事態」。本当は外出自粛すべきだが、講演依頼を受けて香川県へ。感染者数の少ない県に大阪からやってきて嫌がられないものなのだろうか。その心配は的中し、リアル受講者は3人。オンライン受講者が約20人という結果に(;^ω^)。広い会場に受講者3人、事務局の方2人と私の6人。これが新しい生活様式ならぬ、新しい講演様式なのかもしれない。こんな状態なら私もオンラインで良かったのでは?という思いも残るが、交通費や宿泊費まで出していただけるということで、便乗して愛媛の取引先訪問を果たし、空いた時間で美術館に行くことも出来た。大勢の前で話すと無駄に緊張する私にとって、リアルが少人数であったことは有難く、結果大満足の旅となった。


 講演のテーマは「女性の働きやすい職場を作るための取り組み」。創業以来取り組んできたことを事細かにお伝えした。うちでやってきたことがどんな会社にも当てはまるとは到底思えないので、出来るだけ活発な質疑応答が出来るよう、事務局の人と打合せをし、オンライン受講者からの質問はチャットで受け付けるようにした。最初に私から「あなたにとっての働きやすい職場とは?」と問いかけたところ、風通しの良い会社、話しやすい会社、意見が出しやすい会社、休みがとりやすい会社、空調設備が整った会社といった意見が出た。

 働きやすさも千差万別であり、働く人全員の働きやすさを追求するのは至難の業だが、意見の出しやすい風通しの良い会社であれば、いろんな壁にぶつかるごとに意見交換が行われ、その時の最善策をとれるのではないかと思う。VUCAの時代と言われる昨今、今その時の最善策を選択し続ける柔軟さが求められている。柔軟さや小回りがきくという点は、中小零細企業の強みとなる気がする。


 話が進む中で、チャット内の質問が溜まっていき、リアル受講生に分かるようにチャットの質問を音読し、ひとつひとつに答えていく。リアル受講生の3人は、カメラの前で質問し、オンライン受講者と共有する。それに私が答えるといった具合だ。有難いことに予想以上に質疑応答が活発になり、あっという間に時間が過ぎた。一方的に話すより、具体的な質問に答える方が私もやりやすく、離れていても同じ場を共有している感覚を得ることが出来た。


 大勢がいる中で手を上げて質問するのは勇気がいるというか、日本人には苦手な人が多いと思う。特に第一声はなかなか勇気がいる。これまでの講演会で、幾度となく静まり返る質疑応答時間を体験してきたが、文字で質問する方式は日本人向きなのかもしれない。年末に向けて頻度を上げてブログを更新することを自分に課している私としては、この時期に、いろんな経験をさせてもらえた今回の出張は貴重でしかない。次は美術館で感じたことをネタにブログが書けそうである(うしし)。

13日の金曜日

自己肯定感

やらかした(+_+)!と思った瞬間。
凍り付くというか、胃がクッと縮まるというか、火照りながらも寒気がするというか…


その日は20時からラジオ出演の依頼をうけていて、19時40分ごろにラジオ局に行く事になっていた。定時の18時まで仕事しても、十分に間に合う距離にラジオ局はある。前の晩、事前に渡された質問内容に対して、どう答えようかと思いを巡らせながら床に就いた。朝起きて、午前中に取引先の新しい担当者にプレゼンしに行く予定があったことを思い出し、どうやったら記憶に残るピーアールができるかなぁと頭の中でイメージしていた。

そこへラジオのディレクターから連絡入ったのが7時45分。
「もう近くまで来られてますか~?」
「ぇ ?」

そう、やらかしてしまったのである。
事態を把握したあの瞬間。夜の8時と思い込んでいた出演依頼は朝の8時だったのだ。7時40分ごろにラジオ局に到着しているはずの私のカラダは自宅にある。アタマは午前中のアポのことを呑気に考えていたのでる。
ラジオ出演という仕事に見事に穴をあけてしまった。どんなにマッハで動いてもラジオ局に着くころには生放送は終わってしまう。謝ることしか思いつかない私に、ディレクターさんは落ち着いた声で「では、リモート出演に切り替えましょう。音のチェックがしたいので一旦切りますが、06から始まる番号からかけ直すので出てください。私も念押しすれば良かったですね。」と語りかける。

動揺している暇も緊張している暇もなく、パパッと音声チェックを済ませた後、出演時間の1分前にスタジオと繋がり「今流れているCMが終わったら出番です。ハイどうぞ。」その後はパーソナリティさんのユーモアたっぷりの洗練された語りに身をゆだね、リモート出演はあっけなく終了。

もし私がディレクターの立場だったら。
ものすごく焦るし、思わず声を荒げて、「なんで夜だと思うんですかっ!番組名『おはようパーソナリティ道上洋三です』ですよ!どうしてくれるんですかっっ!!」と叫んでいたと思う。ディレクターさんの内心は測り知れないが、彼は瞬時に最善の道を選んで、私があけた穴を埋めてくれたのだ。
惚れそうになるぐらい仕事ができるお方だ♡

感謝と尊敬の念に襲われながら、私の自己肯定感は奈落の底に。「穴があったら入りたい」とはこのことか。しばらく布団にくるまって凹みたおした。
気を取り直して出勤し、ディレクターさんが送ってくれた事後視聴できるURLを貼り付けて、ラジオ出演をSNS発信。ラジオを聞いてくれた人々から「時間間違えるとは!」のツッコミが入る。やはりそこが一番印象に残ってしまうのか…( ̄ー ̄)。

「穴をあけるのが仕事です。」どっちの意味で言うてんねん…と内心ツッコミながら取引先で営業トークする私。

次の13日の金曜日は、どんなハプニングと学びに出くわすのか、今から楽しみである。(すっかり前向きな私に戻りました♡)

熱量は伝播する

最初の企画はとてもふわふわしたものだった。
「にぎやかしブース」を共同で借りて、リアル展示会を盛り上げよう…といった感じ。“祭り”的なことは感じたが具体的なことが何も分からなかった。名古屋で開催されるリアル展示会に出展することを決めていた。今回の展示会は社員主導。私は予算を捻出する係。ちょうどサンプル製作をし始めたころに誘われて、私あんまりやることないし、にぎやかしブースでも担当するか~ぐらいのノリでふんわりエントリーしたのを薄らぼんやり覚えている。

8月中旬にリアル展示会がコロナで中止となり、にぎやかしも無くなると思いきや、動画製作、公開、投票というカタチで企画がどんどん進んでいき、気が付けばふわふわ感はゼロ。期日とやるべきことが決まり、あっぷあっぷ言いながらついていくことに。ちょうどその頃めったにない特需が入り、加工機はフル稼働。全ての機械が汎用機である細穴屋としては、みんなと話し合っているヒマも「くだらないもの」を作っているヒマもなくなった。特需を喜ぶ裏で、やばいやばいと焦る気持ちが膨らんでいく。期日がせまる中「世界一折れやすいシャー芯」を作ることを思いつき、社員と共有。そこからが早かった。動画製作のセミナー受けたり、絵が上手な社員に私のイメージから絵コンテを描いてもらったり。

熱量グラフ

(くだらないものグランプリ 熱量グラフ)
主催者メンバーが名古屋から突撃取材に来てくださって一気に現実味が増したあの日。

稼働の少ない日を狙ってシャー芯に穴加工し、それを撮影し・・・私が知らない間に動画製作は進み、もっとこうしようああしようとブラッシュアップされていった。動画なんて作ったこと無いのに、である。うちの子らやるなぁ、と感心したし感動した。突き動かされるように、伸び悩む投票数を伸ばすべく今までの友人知人にお願いのメッセージを送った。するとすこぶる良い反応。企画の主旨がコロナ禍で落ち込んだ人々の心をつかむのか、面白い~、すご~い、笑える~!と事前動画を見てくれる人が増えていった。“一生懸命”の熱量は離れていても伝わるのだ。事前投票1位になってからの熱量はぐんと上がり、社員と投票してくれた人たちの期待に応えたいという気持ちが一気に膨れ上がる。あの“ふわふわ感”はどこへやら。「くだらないもの」にこんなに熱中するなんて。

主催者の熱量もエントリー企業の熱量もどんどん上がっていくのを感じながら当日を迎えた。決戦動画を見てくださった人は分かると思うが、情けないかな緊張しすぎて震えが止まらない私。結果は3位。されど、やりきった感は1000%。そして「くだらないものグランプリ」ロス(笑)。
「第1回 くだらないものグランプリ」
何がスゴイって、主催者も参加企業のメンバーであること。そして決戦プレゼンが終わったあとの集合写真のこの笑顔!この仲間たちとお仕事してみたい、と思うのは私だけではないと思う。

▼決戦の様子はコチラ(4時間16分)
https://youtu.be/Ym1CVrvRrVw
・エストロラボのプレゼンは2:05あたりから
・プレゼン終了後の座談会は3:35あたりから
・結果発表は4:00あたりから

枯れても腐るな

ブログを書かずにまる2ヵ月が過ぎた。年間目標はどこへやら(  ̄▽ ̄)。

売上高を振り返ってみると、3月にガクンと落ち込み、4月5月と上向きになったのに6月にまた落ち込んだ。そして7月少し回復の兆しが見えたのに、8月にガタ落ち。9月は7月とほぼ同じ売上見込み。上がったり下がったりするのは例年どおりだが、平均すると去年度比27%の売上減。去年の売上自体が例年に比べて芳しくなく、赤字決算だったので、その27%減はたまらない。客先の倒産も2社あり、コロナ禍の恐怖におののいている。

ブログを書くなら、読んでくれる方々が元気になるような前向きの内容にしたい。そんな思いがあったのに、のっけから売上減の話になる始末。これが現実。

この危機を乗り越えるために、社員と危機感を共有するところから始め、「今(=ヒマ)だから出来ること」「今の(=ヒマな)うちに出来ること」を話し合った。決めたことを期日を決めて、黙々と進めて行く日々。11月開催の展示会への出店を決めたら、やることてんこ盛り。出展するサンプルづくりに始まり、見せ方をどうするか、加工しているところ見せる動画を作って、会場で流そう!出展の告知方法は?誰が何をいつまでにする?これを機にチラシもリニューアルしよう!などのアイデアが出る。あとはアイデアをカタチにするだけ。謀らずも減少してしまったルーチンワークの間を縫うように、みんなで協力して展示会の準備を進めた。

なのに、8月に展示会中止のお知らせ。

腐る気持ちをグッと抑えて、無理矢理、前向きに出来ることを探す。新たに計画を練って、あれこれ進めて行くうちに芋づる式にやることが増えていく。この種まきがいつか芽を出すことを信じて進めるしかない。

芽が出るのに何年もかかったらどうしよう…?そんな不安な気持ちはゼロではないが、「やったことは無駄にはならない」と信じる。いろいろやったことは失敗も含めて糧になっている。今までの経験が「信じる力」を助けてくれている。

オリンピックを目指しているアスリートがインタビューで答えていた座右の銘。

「枯れても腐るな」

枯れている木はまた時期がきたら芽生える。枯れると腐るは大違い。

いつか芽生えるために、腐らないでいようと思う。

新人研修

 日本IBMの新人研修の一環でメールインタビューなるものを受けた。担当の新入社員がエストロラボについて調べた上で、創業者である私にメールで質問。それにメールで答えると、担当者がそれをまとめ、他の新入社員に共有し、皆の感想をまとめるという研修のようだ。

リサーチ力、質問する力、まとめる力、伝える力を鍛えるのだろうか。

質問は以下の7つ。ありゃ、結構ガッツリ聞いてくるのね(;^ω^)、といった感じ。

起業・社長業について
①複数の会社の運営に携わっておられ常にマルチタスクであるかと思われますが、
タスクマネジメントで工夫されていることはありますか?
②細穴放電加工を商品技術として売り出そうと思われたきっかけはありますか?
③起業をした後、会社を発展させて行くことが難しいように感じますが、
会社を発展させていくときに必要なマインドはありますか?
④社長になられてから最も苦労されたことは何ですか? 

女性の働き方について
⑤女性が働きやすい環境とはどのようなものであると思われますか?
⑥働く女性はどのように仕事とプライベートを両立させるのが良いとお考えですか?
⑦社会全体で、今後より女性が活躍するためには何が必要だとお考えですか?


ガッツリした質問にガッツリ大真面目に回答したところ、こんな感想をもらった。

“私自身も、「IBMに入社したから…」「女性が働きやすい会社だから…」と、なんとなくこの会社で活躍していかなくてはいけないと考えていたのですが、私にとっての「活躍」とは何なのか?活躍する人だけが偉いと思っていないか?自分自身が心から実現したいことは何なのか?と考え直す良い機会となりました。
また、回答を拝読しながら、女性の働き方について質問すること自体がバイアスのかかったことだったかもしれないと感じました。不躾な質問にも丁寧にご回答いただきありがとうございました。”

何かを考え直すきっかけとなったようで、とても嬉しい。メールで2回ほどやりとりしただけだが、新人さんたちといつかリアルで会ってみたいと思った。

若いっていいな、という思いと同時に、しっかり訓練される大手企業の新人教育を垣間見る機会を得たことを有難いなと思った。このご縁は高校の同級生が繋いでくれたもの。いつどこで誰と繋がるか分からない面白さを味わった。馬場くん、有難う。